Windows 10+HDD+4GBメモリの限界点について
ここ数年、エントリークラスとして販売されているノートPCは、細かい世代や仕様の違いがありこそすれ、『Windows 10+HDD+4GBメモリ』の組み合わせになっていることがほとんどのように思います。CPUはCeleronであったりCore i3やCore i5、あるいはAMD系であるかもしれません。CPUがいずれであっても、エントリーの使い方である軽いインターネットブラウジングや文書作成であれば、出始めはそれなりに軽快に使えていたとも考えられます。
しかしながら、バックグラウンドで動いている様々な機能やクラウドとの同期を含めた多数の常駐ソフト、タブを基本としてかなりの数を開けてしまうブラウザを想定すると、もはや最低要件としても『Windows 10+HDD+4GBメモリ』は限界に来ているのではと感じます。CPUの性能にあまり関係なくです。
上記の条件で、まず立ち上げ時に多くのファイルが読み込まれたり、Windows Updateやウイルス対策ソフトが働くため、HDDとのやり取りだけでかなり遅くなります。
それから何も作業していない状態で既にメモリが大抵3GB近く消費され、残りは1GB程度しかありません。(ブラウザにもよりますが)ブラウザで幾つものタブを開いたり、Googleスプレッドシートを開いたりするとメモリ消費は1GBを超えてきます。その時点でスワップが起こり、遅いHDDとの激しいやり取りが生じます。
それならとしばらく置いておくとスリープに入り、またデータをHDDに退避したり、引き出したりが発生します。
以上により、常に動作の鈍いPCとなり得ます。エントリークラスとはいえ、これはPCの魅力を極めて低減させる要因になります。本来、情報処理能力の高いはずのPCがスマホよりもっさりしているのならば、誰もPCなんて使わなくなります。
個人的に保有しているここ数年に購入したノートPC2台ほどがそのような状態にありました。また、パソコン教室に来ていただいている生徒さんのPCを見ても、多くがそのような状態に近いです。
解決策としてはシンプルで、HDD→SSD化か4GB→8GBメモリ化、またはその両方ともです。手持ちの1台は、AMDのA10系のCPUでしたが、HDD→SSD化のみを行いました。またもう1台はCore i5のCPUでしたが、HDD→SSD化と4GB→8GBメモリ化の両方を実施しました。結果的には2台共に非常に快適に変わりました。前者のみでもある程度十分ですが、ブラウザのタブを多く開いたり、Googleスプレッドシートなどを使う場合には、メモリも増やしておいた方がより快適です。
今後のノートPCがどのように進展していくのかわかりません。しかし、ある程度大きい画面での軽作業というものは当面なくならないと思います。そうであるならば、エントリークラスとしては単なるOSの最低動作要件を満たすということだけでなく、『Windows 10+SSD+4GB(できれば8GB)メモリ』をエントリークラスの最低条件として展開して欲しいですし、もしノートPCを使い始めようとする方にも、この辺を考慮いただけると幸いです。
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