見守りのためのIT機器とサービスについて
シニアの独居人口が増え、家族が離れて住んでいることが多くなってきた昨今、如何にして突然の不調から自分の身を守るか、あるいはそういうものに対して家族を支援していくかが重要になってきました。実際、かつてNPOスバルが配食サービスと共に日々の見守りを行っていた際にも、誰にも知られぬままに自宅で倒れていた事案がたくさんあったと聞いています。
また一方で、一緒に住んでいたとしても、徘徊や迷子による事故からどう防ぐかも課題の一つとなっています。
そんな状況下で、助けとなる様々なIT機器やサービスも次々と生まれています。その中で自分の生活にあったものを採用して活用することで、より安心感のある健康的な生活を送れる環境も整ってくるのではと思います。
生活家電の使用状況による遠隔地からの見守り
最も簡便な見守り方として、生活家電の使用状況から異常を感知する方法があります。通常の生活であれば、まず毎日使用するであろう家電に対し、その使用状況を随時監視するものです。
IoTコンセント
コンセントに挿し、コンセントと生活家電との間に入れておくことで、電力使用状況から異常を検知します。信号は、無線LANを経由して専用のサーバーに送信されます。そこから、関係者にメールが配信される仕組みです。そのため、この装置の他に、無線LAN環境とわずかな月額使用料が必要です。
特長としては、接続する生活家電を限定しないので、いろんな家電を検知対象とすることができる点です。一般にはテレビなどが相応しいのではないかと思います。また、電力だけを見ているので、具体的な行動は秘匿されており、プライバシー的にも安心なところがあります。
パワーエレック: http://www.powerelec.biz
iポットを用いたみまもりほっとライン
象印マホービンの行っているサービスで、そこそこ長い運営実績があります。電気ポットに携帯電話の通信機器が埋め込まれており、ポットの使用状況によって見守りをする仕組みです。ポットはレンタル品として支給されますが、サービス利用料としてそこそこの月額費用が必要になってきます。額としては昨今出てきている他の様々なサービスと大差ないので、電気ポットを生活で使用するか否か、ポットの電気代、実績なども踏まえて検討した方が良いかと思います。大手メーカーが運営しているという安心感はあります。
みまもりほっとライン: http://www.mimamori.net
見守りサービスの活用
現在、いろんな形で見守りサービスが提供されており、自分の生活環境や地域にあったサービスを選択することができます。一方で、どうしても月額費用がそれなりにかかってくるので、十分に吟味する必要があります。
フォトスタンドを用いた見守り(ミマモリエ)
上記のiポットに似ていますが、生活の流れから異常を感知するのではなく、これはフォトスタンドにセンサーが備わっていて、室温や活動状況をチェックすると外部に連絡が届く仕組みです。日報といって、見守る方へ毎日の状況がメールで届きます。
そのような機能を有するフォトスタンドと言っても、デジタルで画像が表示されるようなものではなく、写真を挟み込んでおくだけのシンプルなものです。いかにも監視装置という外観になっていないので、抵抗感が薄くなります。とはいえ、IoTコンセントやiポットは「間接的に」生活状況を確認するのに対し、こちらは活動状況を「直接的に」確認するシステムであり、監視されているという感覚としてはどうしても残るしまうかもしれません。
ミマモリエ: http://mimamorie.co.jp/
郵便局のみまもりサービス
郵便局員が訪問して、生活の様子を確認します。必要であれば、外部の指定先へ確認結果を報告することもできます。基本月1回の訪問となります(30分、60分コース。訪問回数を増やすこともできるが追加で費用がかかる)。
津々浦々、様々なところに郵便局がありますし、親近感があるので、その点では安心できるサービスではあります。ただ、どうしても訪問回数が少ないので、急な異変などの察知には向かないサービスになります。定期的に体調や生活環境などの様子を見て、長期的な変化がないかを確認するには適しています。
郵便局のみまもりサービス: https://www.post.japanpost.jp/life/mimamori/
不意の迷子・徘徊を防止する
一緒に住んでいる場合には、上記のような見守りサービスというものはそうそう必要ないと言えますが、生活を共にしていても迷子や徘徊という観点では一種の見守りが必要なこともあるかもしれません。そういうことに対応するIT機器も、まだ多くはありませんが出てきています。
ハイビーコンを使う
ハイビーコンはどちらかというと、高齢者施設や大型ショッピングセンターでの使用を主眼とされているIT機器です。スマホ・タブレットをもっていれば、個人でも使用するタイプもあります。『ハイビーコンEX』はBluetooth4.0という無線通信を使い、最大450mまで通信を行うことができます。『ハイビーコンEX』自体はそれなりの初期費用がかかりますが、迷子・徘徊には強力なアイテムになる可能性をもっていると思います。
また、業務用としては、集中監視やグループ捜索への対応、ドローンでの捜索など、様々な活用手段が想定されています(サービスやインターネット通信の月額費用などが発生しますが)。
ハイビーコン: http://www.hibeacon.jp/
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