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3Dプリンターを活用する

3D3Dプリンターは、立体の造形物を作るプリンターです。通常のプリンターが文書を作るのに対し、3Dプリンターは、作り上げる対象が非常に広いのが特徴です。また、通常のプリンターでは、人に伝えたり記録を目的として印刷を行いますが、3Dプリンターの用途は主として、自分が楽しんだり利便性を向上する道具を作ったりすることです。その点では、プリンターというより製造装置といった方がより正確です。

元々は産業用が中心でしたが、昨今になって非常に安価な家庭用3Dプリンターが幾つも発売されています。一番安い機種では、樹脂の種類が一つで同時に一色のみの仕様ですが、少し上位の機種になると、樹脂の種類を変えれたり、多色を同時に使えたりします。さらに高級機種になると、金属で作れたりもします。

家庭用の安価な機種の場合、基本的には、細い樹脂のワイヤーを溶かしながら積み上げるように造形していく方式です。ワイヤーを入れ換えたり、複数のノズルを使うことで材質や色を変更できます。
材質としては、PLA樹脂(ポリ乳酸)やABS樹脂が主流です。扱いやすく、そこそこの強度と耐熱性があります。

それで、何を作るか、です。いろんなものを作れるが故に、何を作るために使っていいかわからないという落とし穴にはまり勝ちです。インターネット検索をすれば、たくさんの人がいろんなものを作っているので、参考になると思います。
まずは、不足の部品作製が挙げられます。交換部品でないパーツは、取り寄せが困難だったり費用が高くつくことがあります。古すぎてそもそも在庫が存在しないことも。3Dプリンターがあればパーツを無くしたり壊したりしても、新たに作ることができます。実際のところ、アンティーク品の修繕目的としては結構ニーズが増えてくるのではないかと思っています。
次にアクセサリーやインテリア小物。なかなか思い通りの物を作るのは難しいかもしれませんが、オリジナリティーのあるものが作れます。名前を入れるのも自在に。
それから、便利なグッズ。日々生活をしていると、ここにほんの少し引っ掛けるフックや小さな台があったら……と思うことがあります。また、工作などの補助治具が欲しいなどという要望もあるでしょう。言ってみれば、アイデア商品を自分で作ってしまう感じでしょうか。あるいは、逆にアイデア商品の独自開発を進めるためにも3Dプリンターを活用できそうです。
少し変わったところでは、フィギュア製作に用いる場合も。これはデザインの方が余程大変そうですが。
その他、大きくないものなら大抵は作れますが、何を作りたいかは本当に人それぞれ、その時々になってきますので、思い付いたらメモしておく方が良いです。

家庭用の3Dプリンターは、数万円程度からあります。ちょっと高価なものでも10万円強でいろいろ機種があります。XYZプリンティングのダヴィンチシリーズがまずメジャーな製品でしょうか。
選定条件としては、価格の他に、使用できる材質と色、造形物の最大サイズ、分解能などです。特に分解能は重要で、縦横(XY方向)と高さ(Z方向)とで分かれるので注意が必要です。安価なタイプで0.1~0.2mmくらいでしょうか。それ以下の構造は作れませんし、滑らかな形状にするには、その数倍のサイズの最小構造に留めてしておくべきでしょう。

もう一つの方法としては、発注して作ってもらうやり方です。例えば、DMM.makeなどがサービスを展開しています。作るのが単発で、繰り返しの試作を行わないのなら、発注してしまう方が自前でもつより安く作れます。勿論、自作する面白味は若干減りますが……。また、先のDMM.makeの場合、個人がデザインを提供するサービスもあります。これは使える、面白いという作品があったら、それを発注するという流れです。アイデアがあるなら、逆にそういうデザイン、作品を提供する側になるのも、趣味の一つとしてアリかなとも思います。

3Dの設計図(CAD図)をどうやって描くかについては別項で。

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