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Amazon Echo Dotの導入と率直な感想

今回は、ITの活用方法を伝えるというより、PC研究会としてAIスピーカーを試してみた感想という形です。

既に周りでGoogle Homeを活用されている人もいるのですが、私の家ではこの度、AIスピーカーのAmazon Echo Dotを導入しました。4週間ほど前に招待メールを受ける予約をしてから、ようやく家にやってきました。小型タイプの中で、Google Home miniではなくEcho Dotを選んだ理由は、保有するAmazon系デバイスとGoogle系デバイスの量のバランスを保って、両方の良いところを享受したり、一つの系列に偏ることでよろしくないことが起こる(例えば、共通のアプリで脆弱性やバグがあったりなど)のを防ぐためが一つ、それから単純にEcho Dotの方が安かったという点が一つです。Amazonプライム会員で、かつ早期の予約であったため、価格的には非常に有利でした。ちなみに、EchoではなくEcho Dotにしたのは、Echoサイズでそこまで音質に拘らないし、現時点での模索的な遊びにはあまりお金を掛けたくないからです。

そもそも、AIスピーカーとか、スマートスピーカーとかの名称自体、個人的にはどこかもっさり感を感じさせます。人工知能やスマートという言葉のもつ洗練された雰囲気がないというか、結局は何はともあれスピーカーですよという表現に違和感を感じずにはいられません。おそらく、スピーカーというのが単体で目的をもって存在するものではないからでしょう。TVのスピーカー、オーディオのスピーカー、スマホのスピーカー……それは何か意味のある音を生み出す一つの道具であって、主役ではないはずなのです。そこに違和感があります。

まあ、何はともあれ、Echo Dotを起動させました。Wi-fi接続はそれなりに難しくなく完了しました。アプリを使わないと設定できない、というところがもう少しわかりやすく説明書に書いてあればいいのですが……。Echoの良いところはスキルという各社が連携する機能により、個々人に応じた様々な拡張機能を付与できることです。この形は、シンプルでわかりやすいし独自性も出せます。育てていくような楽しみもあります。インターネットを検索すると、既におすすめスキルなどを解説したサイトが幾つもあります。

Echo Dotは高さが小さく、スピーカー性能を大きく削られています。Echo Dotの売り文句としては、お気に入りのBluetoothスピーカーやオーディオケーブルで接続した高品質なスピーカーから出力できることです。ただ、残念ながらBluetoothスピーカーをもち合わせてないですし、大きなスピーカーはAVアンプや真空管アンプに繋がれており、常時ONでないためにその任を担えません。
そこで以前作った電池式D級アンプ+8センチフルレンジのサイコロ型スピーカーと接続して、Echo Dot自身のスピーカーと音質を比べてみました。その結果、やはりEcho Dotの音質は軽く、簡易なスピーカーにさえも劣ります。ここはEcho Dotのエンクロージャー(スピーカーとしての容積)が小さく、また音量を上げると箱鳴りしてしまう不利が効いているでしょう。とはいえ、こちらの問いに答えたり、BGMとして何かを聴くくらいであれば、そう悪くもないように思えます。
折角なので、この外付けスピーカーも付けっぱなしにしておきたいところなのですが、電池式なので常時ONには耐えられず、新たに5V電源供給に改造しなければならないこと、またEcho Dotを上回るサイズのスピーカーを併置してしまいコンパクト感0になることから、しばらくはEcho自身のスピーカーに頼るつもりです。

はっきり言って、それに対する回答は非常に難しいです。飛び切り魅力的なスキルが見つかったかと言えば、否です。駅の乗り換え情報やラジオでしょうか、入れることにちょっと積極的になったスキルは。正直、別に日経平均や銀行口座の残高を答えて欲しいとは思わないですし、それほど頻繁に聞きたい情報でもありません。ニュースは役に立つでしょうけど、いろんなニュースカテゴリを一度に入れてしまうと、雑多な情報が放出されるばかりです。
今は実に実に萌芽期という感じです。いつか、誰かが画期的なスキルを思いつき、それを導入した途端、AIスピーカーと日常生活との関係性が大きく変化していく、そんな予感もします。

結局、今役に立つのは天気を知ること、ある程度興味で絞られたニュースを聞くこと、電車の遅延情報、ジャンルを特に選ばない音楽をだらだらと聴くことくらいだと思います。以前の記事で書いたように、AIスピーカー単体ではとても生活を一変するような効果を与えてはくれません。ですからこれから様々な機器が連携してきた時に、あるいは我々の方が進化してAIとの付き合い方がわかってきたり、AIが能動的に音声を発するようになった時に、もっともっと面白い何かが起こるような気がします。

そもそもの話なのですが、私がAIスピーカーを導入しようとした根本の目的というか欲求は、音声による家電操作でした。昨今はリモコンばかりが増えていきますし、家族にその使い方を教えるのが面倒くさくなってきます。そこでどうにかしたいな、と。しかしそれをするには、Echoの他に赤外線を送信する機器が要ります。幾つかの製品が出ていますが、いろいろと調べるうちにすっきりと家電操作するのはまだまだなことがわかりました。人間の頭の中では非常に簡単なのですが、これをEchoの人工知能であるAlexaにさせようとするとかなり大変なのです。そのうち、ものすごく簡単でたくさんの機器に対応したような製品が将来的には出てくるでしょうが、今はかなり物足りない感じです。例えば、エアコンのON/OFFやTVのON/OFFは容易なのですが、温度を変更したり、他の機能を動かすことが容易でない、またTVのチャンネルを切り替えようとするとなかなかできないという事象が起こります。家電製品のON/OFFだけ音声でやってもらっても、もどかしくてどうしようもないわけです。

しからばというわけではないですが、世の中にはRasberry Piという小さな小さなPCがあります。Linuxで動いていることが多く、いろいろと工夫して機能を拡張できるのですが、これに赤外線ユニットを付けることもできます。そうすると、Echo→Rasberry Pi→家電というルートで何とか制御できそうなのですが、ここでRasberry PiにもAlexaは導入できます(日本語対応してるかはわかりませんが)。だったら、Rasberry Piがマイクとスピーカーさえもっていれば、Echoを介している意味が今一つなくなってしまいます。

Wi-fi機能を有する物やAlexaに最初から対応している家電製品は今後たくさん出てくるでしょうし、標準的な機能になるかもしれません。そうなると、Alexaから家電製品を操作するのはものすごく簡単になるでしょう。しかし、非対応の家電製品が既に家に溢れており、そのためだけに家電製品を買い替えはまずしません。そのため、どうにかしてあらゆる赤外線リモコンの機能を取り込み、かつAlexaから簡単に高度な操作ができるようになる中間ユニットがもっと進化していくと思いますし、してもらわないと困ります。当分は、そのような機器を妄想したり自作したりしていじるのを楽しむ方向で取り組みたいです(気持ちだけかもしれませんが)。

そういうわけで、今現状としてはEcho Dotで遊びあぐねている、というのが率直な感覚です。

Echo Dot……の箱

小形アンプとスピーカーを有線で接続してみた

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