サイトアイコン シニアIT支援サイトCLASeC

『何とかペイ』の使い道


普段、新しいことがあまり気にかからない方でも、『何とかペイ』が増えてきたなあと感じておられるかもしれません。交通系の電子マネーは切符をいちいち買わなくてもいいですし、大抵の公共交通機関は乗れるようになったので、既に使われている方も多いでしょう。交通系電子マネーでも多くのコンビニや自動販売機で使えますし、小銭がない時なんか特に便利です。
それに加えて現れてきた昨今の『何とかペイ』はどう違うのか、何がどう便利なのか今一つわからない、という意見もあるかと思います。あまたある『何とかペイ』の細かい機能比較については、幾つものインターネットサイトで書かれていますので、それを読めばわかります。そこは割愛して、もう少し噛み砕いて大きな枠で使い道というものをここで示してみたいです。

基本的な機能は同じですし、細かいところを比較吟味していても疲れるだけです。どれでも取っ付きやすそうなもの1つから始めてみるのが良いです。一番良く知っているとか、使っているアプリの系列だとか、近所の店で使えるとか、何となく一番良さそうだとか、そんなところから。そうして、こんな機能があればいいのに今の『ペイ』には入っていない、という段階になって、その機能を有している他の『ペイ』を調べてみれば良いかと考えます。

お店に対しては、いろいろなキャンペーンやアプローチがあり、それが有益だと判断されて『何とかペイ』に対応している部分があります。勿論、スタンダードな『ペイ』になれば、それに対応していること自体がお客にとってのメリットとなりますので、導入の動機となります。早い話、対応していないとお客が減るということです。
何が有益かと言えば、まずはクレジットカードに対する手数料の安さがあると思われます。それから入金の早さ。ものによってはお客の口座から即座に引き落としし、それと共に、お店側へもかなり早く入金されます。クレジットカードであるとどうしても月単位で先の入金になってしまいますが、運営資金が多くない個人経営の店にとってはこれは苦しく、現金がショートする懸念も出かねません。それに対して入金の早い『ペイ』はとても価値があります。
また、普及して現金支払いが少なくなればなるほど、レジで常備しておく現金が少なくて済みます。これも安全上、管理上で有益な点です。

一方、コンビニチェーンが展開する『ペイ』は顧客の囲い込みの効果があります。コンビニ同士の差別化は益々難しくなってきていますが、キャッシュレスでとか、ポイント還元を目的に『ペイ』で払いたいのであれば、その『ペイ』が指定するコンビニに行かなければならないわけです。
さらにこれはコンビニ系の『ペイ』だけでなく全般に言えることですが、『ペイ』での支払いに集中することによって、個々人の購買志向の情報を(個人が特定されない範囲で)『ペイ』の提供側が収集することができます。もし、世界的な標準『ペイ』に成長すれば、膨大な情報とお金の流通を掌握できる強力な武器となる可能性すら秘めています。

正味、ここが大事で、これが感じられなければ一方的に普及を押し付けられている感はやはり否めません。ポイント還元が高いという利点はあるのですが、普及のための方策という側面があり、便利さに対するメリットとは少し意味合いが異なります。
先ほど出た、即座引き落としの機能は、毎月の支出管理の点では、クレジットカードよりも遥かに有益です。また『ペイ』によっては利用履歴を詳細に参照できるものもあり、支出項目の仕分けには非常に便利です。これまではIT的な管理ができたとしてもせいぜいレシート写真を読み込んで自動的に判別するところまででしたので、その手間やレシートの出ない支出もたくさん存在することも考慮すれば、『ペイ』による支出管理は簡単で正確といえるでしょう。但し、『ペイ』同士が連携しているわけではないので、たくさんの『何とかペイ』を使い回すようになると、返って管理が複雑になるので注意が必要です。
また、初めてのインターネットサイトで物品を購入するような際には『ペイ』に対応していると、システム的に閉じた状態で支払いが実施されるので、クレジットカード情報を入力することに比べて、その情報漏洩の心配が減ります。
さらに小銭を出し入れする手間は勿論減りますが、これは電子マネーでも代用できる点です。ただ、電子マネーをカードとして財布にもっていると、万が一財布を落とした時に、手持ちのお金と電子マネーを同時に失い、手元に金銭を支払いできるものが全くなくなってしまい身動きが取れなくなるかもしれません。『ペイ』によりスマホにも支払い機能を付与しておけば、財布とスマホの2系統で支払いができ、危機管理上では有効です(スマホに電子マネー機能を入れておけば、同じことですが……)。
とまあ、今は実質これくらいなのではないでしょうか。日本では『ペイ』を入れなければ不便極まりない社会はまだまだ到来しそうにないので、無理に入れる必要性はないと思われます。ただ、将来を見据えて、『ペイ』の情報を気にかけていたり、試しに一つ二つ使ってみるのが良いかもしれません。

モバイルバージョンを終了