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無線の意味とその内容に関する説明

Wi-Fi

無線での通信が極めて一般的になり、誰しもが気軽に「無線が~」と言うようになりました。また家庭でも Wi-Fiが浸透しきって、あまりIT機器をお持ちでない場合でも、無線LAN接続が当たり前になってきた感があります。 しかし、単純に無線と言ってしまうと、実のところ様々な要素が含まれており、話す人によっても意味がまちまちだったりします。また規格や通信速度もいろいろで、知っておかないとどうにもこうにもトラブルを解決できないことも考えられます。ここでは、2019年4月の時点での無線事情を比較的平易に説明したいと思います。ここの中で不明点が数ヵ所だけしかないのであれば、別途インターネット検索すれば内容が把握できると思います。

まず、無線と言う言葉は、大抵は携帯電話網を使ったインターネット通信のことと、家庭内に敷かれた無線ネットワークの2つのどちらかを意味します。稀に状況によってはBluetooth(ブルートゥース)による端末機器同士の通信を指すこともありますが。携帯電話網がワールドなネットワークなのでWAN(ワン)、家庭内がローカルなネットワークなのでLAN(ラン)と呼ばれます。通常は単に無線で繋ぐと言ったとき、LAN、即ち無線LANのことを指しています。 この無線LANは、Wi-Fi(ワイファイ)と呼ぶことが多いです。Wi-Fiというのは無線LANの規格の一つですが、ほぼ同義語と思っていいです。したがって、無線=無線LAN=Wi-Fiのイメージがあれば大体意味が通ります。以降、Wi-Fiの説明に焦点を当てます。

Wi-Fiの中でも通信方式により、現時点では主にIEEE802.11n、11ac、11axと分かれます。ややこしい名前が付いていますが、末尾のアルファベットが一文字より二文字、二文字でも後ろの方のアルファベットの方が通信速度が速いと思えばいいです。とはいえ分かりにくいので、これからは名称が変わりWi-Fi 4(11n)、Wi-Fi 5(11ac)、Wi-Fi 6(11ax)と呼ばれるようになりますが、こちらは番号が多いほど通信速度が速くなるということです。
この通信速度にちょっとした難儀があります。無線LAN機器や端末機器のアンテナの数によって出せる最高速度が変わってくるので、この規格だったらこの速度と一概に言えないのです。通信する物同士の状態が揃って初めて通信速度が決まります。したがって、例えば無線LANルーターとスマホが通信する場合であれば、それぞれの機器がどの通信速度まで出せるか、それを知っておかないと速いやら遅いやらは判断できないわけです。それぞれの機器がどんな通信速度を有しているかは各機器の仕様を読んでみないと分かりません。

もう一つWi-Fiをややこしくするのが周波数です。使える周波数は2.4GHzと5GHzの2つがあります。11acのみ、5GHzしか使えません。11nと11axは両方使えます。極々単純に言って、2.4GHzは遠くまで飛ぶが、それ故に電子レンジやら隣家の無線やらとやたら干渉します(ノイズが大きい)。5GHzはその逆で、回り込みにくく距離も短いがその分ノイズが少ないです。
どちらで通信するかは、Wi-Fiで選択するネットワークによって分けられることがあります。似たようなネットワーク名があり、片方の末尾に5Gなどと記載されていたら、そちらが5GHzです。現時点では5GHzの方をお勧めします。何故ならば昨今では近隣の無線が幾つも飛んてきており、とかく電波干渉が問題になるためです。

Wi-Fiか繋がらなかったり、遅くなったりする原因としては幾つかあります。まずは無線ネットワークが端末機器の方で切断されていることです。電波が弱く繋がりにくい期間が長かったのか、明確な理由は不明ですが、勝手に切断されている場合があります。その際は再度ネットワークに接続してやる必要があります。WindowsのPCなら右下の電波マークをクリック、Androidのスマホなら、電波マークを長押しで再接続の画面が出てきます。

その次に電波の干渉です。多数の電波が飛んでいたり近くで電子レンジが作動したりしていると通信が遅くなる可能性があります。その場合は付近の電波を可視化できるアプリをインストールして一度確認してやります。自分の無線LANルーターの電波が他と重なっていたり、他よりも強度が小さくなっていると要注意です。回避策としては、無線LANルーターの管理サイトを開き(取扱説明書に開き方が載っています)、電波のチャンネルを変えて干渉を極力防ぐことです。なお、最近の無線LANルーターだと自動的にチャンネルを切り替える機能があるので、手動でやる必要はほとんどないです。チャンネル切り替えが自動になっているかを確認するだけです。

無線LANルーターとの距離、配置が関係する場合もあります。無線LANルーターとの間に鉄筋や厚い壁などが介在すると電波が弱まります。回り込みにくい5GHzの電波ではさらに顕著になります。さらに無線LANルーターのアンテナの角度によっても電波の強弱が変わってきます。アンテナがなさそうな物でも、中に内蔵はされています。対策としては、無線LANルーターの位置やアンテナの角度を変えて試してみることです。また、離れた部屋や階になるとどうしても電波が弱まるため、中継機やメッシュルーターを使うのが効果的です。中継機はWi-Fiの電波を受け取って増幅してくれます。メッシュルーターは幾つかの台数を組み合わせて編みの目のように電波を中継するルートを作ってくれる物ですが、販売されている機器の数はまだまだ少なく、既存の機器に増設できないのが難点です。

その他には無線LANルーターの不調があり得ます。ファームウェアが古いと元々もっているバグにより切断を繰り返したりする可能性があります。ファームウェアの更新も管理サイトで行います。それから劣化により電波が弱くなったり、安定性がなくなったりしていることも考えられます。無線LANルーターは24時間稼働し続ける物ですし、結構発熱もするのでどうしても劣化がしやすいです。使用開始から5年以上経っており、ファームウェア更新をしても調子が戻らない場合には、買い替えを積極的に検討することも必要です。

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