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Windows10化ネットブックの発病

半年ほどのWindows10化したネットブックを触っていませんでした(→前回のネットブックのWindows10化の記事)。元々、Windows10の触り心地やネットブックが対応できるかどうかを興味半分で探るための作戦でしたので、その後さっぱり触っておらず、棚に眠っていたままだったのですが、今回セキュリティアップデートを兼ねて久しぶりに立ち上げてみました。
そうすると、まず立ち上がらない。一瞬、Windowsのマークが出て読み始めたかと思ったのですが急に落ちてビープ音。その後は何度立ち上げてもWindowsマークが出る前からビープ音が鳴り続け。ビープ音の長短でどこのエラーかはわかるのですが、必須機器ではないので何だか調べるのも面倒で、適当に「メモリが死んだ」と決め付けました。メモリを外してみたら全く立ち上がらず(このAspire One D250はメモリスロットが1つで、ボード実装のメモリはない)、メモリがないと他の不具合もわからないのですが、SSDが駄目だとOSが見つからないと出てくるでしょうから、メモリが死んだことにしました。

そこでヤフオクで中古のメモリ(DDR2 SO-DIMM、PC2-5300、2G)を入手し、差し替えました。すると……見事に立ち上がったのですが、Windowsの修復が必要だと出ました。修復を進めると失敗した、と。さてどうしようかな、と思ったのですが、とりあえず再起動しました。そうすると、ビープ音が再発したのです。結局、メモリではなかったとは思われるのですが、ならば最初の挙動は何だったのか、と妙な気分だけが残りました。
どうしようかな、と悩みながら何度か再起動をさせているうちに、問題なく立ち上がる回がありました。これ幸いとログインし、よくわからないままデスクトップ画面が復活しました。これでそれ以降何もなければ良かったのですが……。
とにかく一気に溜まっているセキュリティアップデートを行いました。同時にWindowsストアアプリの更新(27個!)とウイルススキャンのデータ更新が並行したので、他の動作はさっぱりできませんでしたが、これで変な不具合が解消できればという淡い期待を抱いていました。

さて、全てがほぼ終わり(幾つかのセキュリティ更新はまだ残っていたでしょうが)、再起動をかけるとあのビープ音はもうやってきません。但し、ログインができなくなりました。何故ならキーボードが効きません。ほとんどのキーを押しても何も文字が出てきません。ならば、スクリーンキーボードを出そうと、「簡単操作」のマークを押してもスクリーンキーボードを選択するメニューが出てきません。音声ガイドだけが発動するのですが、これがまた奇妙で。「☆%&#……パスワードを入力……」とか何とか日本語と不明言語が混じっています。悩みながら何度も再起動を続けていた際、突発的にスクリーンキーボードを選択するメニューが出せました。早速スクリーンキーボードを出したのですが、機械のキーボードと同じ現象が発生。どうやら「表示としては日本語なのだが、受け取る側が別の言語と認識する」ような感じです。Hを押してもGを押しても音声ガイドは「表示しない」と喋ります。どこかで捻じ曲がっています。
ついに八方塞りかな、と思いつつとりあえず「F2」でBIOS設定を確認することにしました。しかし、「F2」が効かない。押してもビープ音が鳴るだけです。ビープ音は「電源ボタン」を何回か押せば止みますが、全くBIOS設定に入れません。どうやら「F2」を押したという認識すらされていないようです。Windowsマークが出て、小粒が回る映像になると、「F2」を押してもビープ音は鳴りませんが当然BIOS設定には入れません。そして、キーが効かないのでログインもできません。

ついに万事休すかと思われたのですが、何度もいろんなことをしているうちに、小粒が回り始めてからひたすら「F5」を連打すると、キーボードが正しく認識されるという現象を発見しました。それで、とりあえずログインまでは自由に(めちゃくちゃ不便ですが)達することができるようになったのです。
しかし、問題はまだ続きます。セキュリティアップデートも全て完了した後も、立ち上がって10分もすると、キーボード誤認識現象が再発するのです。つまり、マウスではコントロールできても、キーが入力できない。ちょっとコマンドを打とうにもできないのです。ですので、その合間合間、何とかちゃんと動いているうちにいろいろと触ってみました。デバイスマネージャーでキーボードのドライバを入れ直したり、Cドライブのエラーチェックをしたり、システムファイルチェッカー(sfc)を打ち込んでみたり……。ドライブエラーもシステムエラーもありませんでしたが、全然快復しません。
そうこうするうちに、管理者権限でコマンドプロンプトが開けない、デバイスマネージャーも開けない、タスクマネージャーから「新しいタスクを開く」としても、コマンドプロンプトが開くだけ(そしてキーが入力できない)という事態の悪化が発生しました。なお、コマンドプロンプトが開けないと、裏で「Windows問題レポート」が動き出すのはわかったのですが、人知れずそれは終了し、そして何も改善されていないこともわかりました。

どうしようもなく、USBの回復ドライブから修復する方法を取りました。Windows10が立ち上がっているうちに、USBに回復ドライブを作成させました。しかし、前述のようにBIOS画面に入れないので、

  1. SSDを取りはずす(Windows10が急速に立ち上がる現象は抑制される)
  2. BIOS画面に入り、ブート順番をUSBトップとする
  3. SSDを挿して再起動

でUSBからの起動を行いました。
そして、回復を試みたのですが、あっさりとできませんでした。そして、最後の手段、回復ドライブから初期化を行いました。
しかし。それでもキーボードの変調は改善しません。「F5」連続押しでは確実に入力できるようになりますが……。直ったこととしては、BIOS画面に入れるようになった(「F2」を押せと表示される前に押しておく必要があります)、管理者権限でコマンドプロンプトが開けるようになった(起動中にキーボード誤認識現象が発生しても、管理者権限でコマンドプロンプトを開けば直ります。理由はわかりません)、この2つくらいです。使えるっちゃあ使えるようにはなりましたが、こんな不安定なまま使用してどうする?という気分です。

そういうわけで、現在まだWindows10化ネットブックの発病問題は解決できていません。キーボードの誤認識が主要因かと思いましたが、まだ見えないいろんなところに不具合が拡散しているような気もします。外付けキーボードを使う、Windows7に戻す、などいろいろまだやりようはあるものの、そこまでしてネットブックを……という気がしないでもありません。不具合ばかりの対策では少々面白みもなくなってきましたし。今後このシリーズが続くかどうかはわかりませんが、とりあえずは現状ネットブックは病に臥せったままです。

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