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スティック型PCの可能性と注意点

Windows 8.1を搭載した高性能スティック型PCの発売によって、スティック型PC(以前はスティック端末とも)が俄然一般に認知されるようになってきました。スティック型PCについては、個人的に2013年頃『Rikomagic MK802ⅢS』というAndroid端末で実際に試したことがあります。それを踏まえ、スティック型PCの可能性と注意点に関して、少し述べたいと思います。

スティック型PCは超小型故に、最も可搬性のあるPCということができるでしょう。昨今では、HDMIポートを備えたディスプレイは至る所にたくさん存在しているので、そこに挿すだけでどこでもPCが出現するのは、すごく魅力的です。
加えて、今までのテレビでは、インターネットやYoutube観賞が単体でできたとしても、応答性が今一つだったり、自分に合った構成への改良の自由度が小さかったりしました。スティック型PCを挿せば、PCの性能が瞬時に得られますし、PCならではの構成自由度の高さが活かせます。
そういった点で、スティック型PCは今後もっともっと注目されていく可能性があります。

とは言うものの、世間で喧伝されているようにはなかなか使えないという懸念もあります。まず、スティック型PCでもAndroid OSタイプは使いにくいです。Androidは基本的にタッチパネルが前提の画面構成です。が、テレビでは画面をわざわざ触りに行きません。リモコンやマウスを使って、大画面で操作するのは、Androidではあんまり操作性が良くないのです。メニューが集中配置されていないので、画面一杯にカーソルを動かさないと操作できないからです。Windows 8.1はタッチパネルとマウス操作の両方を想定して作られているので、その点では使いやすいかと思います。
それから、テレビに挿す時は、テレビの解像度が問題になります。現在(2015年5月)普及しているテレビはほとんどがフルHD(1920×1080ドット)です。この解像度は普及しているPCモニターと同程度です。で、20インチのフルHDのPCモニターに対し、40インチのフルHDテレビを想定した場合、視聴距離がPCモニターの倍になれば、テレビでもPCと同じ感覚で見ることができるかもしれません。しかし、一般にテレビの視聴距離はPCモニターの3倍以上はあるかと思われます。そうなると、文字が小さすぎて良く見えないということになります。だからといって、テレビにもっと近づこうとすると明るくて見にくいことになります。何故ならば、テレビの視聴距離で見やすいように、テレビは明るさが設定されているためです。したがって、通常の距離で見ると文字が小さくて見えない、近づくと明るくて眩しい……というジレンマを抱えることになります。PCとして使う時のみテレビの明るさを大きく下げるというのもアリかもしれませんが、いかにも煩雑です。

以上のことから、スティック型PCを使うのに適した環境は今のところ、OSはWindows 8.1で、高精細度の中型テレビか、PCモニターへの接続に限定されるかと考えます。主な使用用途としては、NAS内データへのスムースなアクセスやPC用ブラウザでの快適なインターネット視聴などでしょうか。しかし、大きな可能性を秘めているので、ポッと画期的な使い方が出現するかもしれません。まあ、個人的にはスティック型PCが『全ての家電に対する、取替可能な頭脳』となり得ることをすごく期待しているのですが……。

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