フィルムカメラを再び楽しむ
デジタルカメラだけでなく、スマホでも誰でも気軽にデジタルの写真を撮るような時代になっていますので、特別な思いのある方や職業的に必要性のある方以外は、アナログのフィルムカメラを使用することはまずないと思います。しかし、昔取った杵柄とばかりにフィルムカメラを使いこなせる人もたくさんおられるでしょうし、まだまだ正常に動くフィルムカメラをお持ちの人もたくさんおられるでしょう。
フィルムカメラと言ったら、ITとは正反対に感じられるかもしれませんが、ITを活用することで楽しめる幅はぐっと広がります。IT的にフィルムカメラを復活させて楽しむ方法を紹介します。
オークションで正常動作するフィルムカメラを手に入れる
昔のカメラが自宅にある人は、そのカメラが動作するかどうかを簡単にチェックすれば良いのですが(古いほど電子的な要素はないので、メカニカル的に動けばそこそこ使える可能性があります)、手元にない人はオークションで手に入れる方法があります。昨今ではフィルムカメラが中古カメラ店に多数出ていることはまずないと考えられますので、オークションが非常に強力な武器になります。
ざっと検索するだけでも様々なフィルムカメラがオークションに出されています。あるいはメルカリやジモティーといった、定額に近い個人売買のツールでもフィルムカメラは出品されています(オークションの中でも、高値争い無しの即決価格販売している物もたくさんあります)。勿論、現状でも大変人気の機種や高級機種は高値でやり取りされていることもあるでしょうが、単にフィルムカメラを楽しむという点では、いろんな機種が非常に安価に手に入ります。
ここで大切なのは、できるだけ正常動作していることが説明文内で明示されている物を選ぶことです。カメラ修理が得意という人でない限り、動作不明とかジャンク品は避けた方が無難です。まあ、安価な場合には、動作不明であっても賭けで買ってみるというのも手ですが……。
ここでは、個人的には実家に眠っていたCanon EXEEという機種を選択しました。実に50年前の発売です。調べてみると非常に微妙な機種なのですが、フィルムカメラを試してみるには充分です。簡単にシャッターなどを触ってみましたが、動作は問題ないようでした。
フィルムを買う
フィルムは今でも普通に売っています。恐らく町のカメラ屋さんでも売っているかと思いますが、インターネットショッピングで気軽に買えます。ただ、価格競争のあるような世界ではもうないので、インターネットだからといって安く買えるわけではありません。
なお、消費期限を過ぎたフィルムでも構わないという方であれば、これもオークションやメルカリなどで大量に安く買えたりします。
備品を買う
それぞれの機種ごとにもしかするとその他の備品が必要かもしれません。オートフォーカスや自動露光などの機能がある機種であれば、電池が必要になってくるでしょう(単3電池などで駆動するものであれば入手は楽ですが)。それ以外にも一眼レフであればレンズ購入も必要になってくるかもしれません。
今回のEXEEの場合、レンズはそのまま付いている物を使用します。実はこれもレンズ交換可能なのですが、スクリュー式の非常に稀な代物なのであまり交換できるレンズはないです。付属レンズは単焦点。焦点は50mmですが、F1.8と明るいレンズです。
ですが自動露光のための電池が厄介です。水銀電池のPX625、電圧は1.3Vで今はありません。アルカリ電池の625Aというのが代替品としてありますが、電圧が1.5Vのため自動露光の段がずれます。仕方がないので、少し高いですが空気電池(1.35V)を使うことにしました。
なお、市販されているボタン電池を上記電池の形状に変更する変換アダプターというのもカメラパーツメーカーから販売されています。これも電圧変換と無変換のタイプに分かれますが、アルカリ電池の初期電圧や電圧低下を考えると、変換タイプの方がいいかと思います(結構な価格ですが)。
マニュアルを調べる
手元に説明書がなくても、今ではインターネットで検索することで古いものでも出てくることがあります。そればかりか、当該機種の使い方などをYouTubeの動画で紹介していることさえあります。
このEXEEの場合には、何とか英語のマニュアルが出てきました。電池の種類などもそれで判明しましたし、使い方も記載されていました。また、フィルムの入れ方については、他の機種で説明されているYouTubeの動画も非常に役に立ちました。
撮る&現像する
撮るのはまさにカメラなので、そのままです。アナログならではの緊張感をもって撮影するだけです。
現像は町のカメラ屋さんに出せるので特に問題ありません。現像と焼き増し代が割とかかるのが玉にキズですが……。なお、昨今は同時にデジタル化してCD-ROMなどで受け取ることもできますので、保存面でも安心できます。
今後はフィルムカメラだけではなく、ITを駆使してアナログ機器を復活させるというのは様々に楽しめるかもしれません。いろんなことにトライしてみてはいかがでしょうか。
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